会社経営に行き詰まったらどうするか
倒産とは(法律用語ではありませんが)簡単に言うと借入金や未払金の支払が出来なくなって会社継続が不能になることを言います。
こうなると(責任ある)会社の選択肢は主として次の三つです。
- 民事再生
- 任意整理
- 自己破産
民事再生法は、弁護士に依頼して裁判所主導で民事再生計画によって負債を整理して会社再建を図るものです。 つまり会社も役員も生き延びるための選択肢で、使い勝手が良く今後の効果が期待されます。
任意整理は、裁判所主導ではなく全債権者の理解と協力を得ながら負債の整理を進めるものですが、全債権者の理解と協力を得るのが困難です。
自己破産は、どのようにしても会社の立直りが期待できない場合に弁護士に依頼して裁判所主導で会社に残った全部の資産を換金して債権者に分配して会社を消滅させるものです。 自己破産はどうしても暗いイメージが付きまといがちですが、私はそうは考えません。
膨大な負債を破産法により全部整理してもらい、(資産もゼロになりますが)新たな再起を図ることは可能なのです。
わからないということは恐ろしいことです。人は死ぬとどうなるのかが分からないので死を恐れるのです。昭和20年の敗戦に至るまで“神国日本は戦争に負けるはずがない”と空疎な信念に凝り固まった大日本帝国は開戦はともかくも降伏や終戦に持っていく方はルールも含め研究はほとんどなされなかったそうです。国が負けるとどうなるかがわからないから絶望的な戦いを続けてしまい多くの人命と膨大な国富を無為に失ったのです。
会社経営とその終焉も同じことです。民事再生や任意整理そして自己破産の(ある程度の)正しい理解が経営者にありさえすれば絶望的な経営を無理やり続けて更なる苦しみや迷惑を多くの関係者に与えることも上手に回避できるかもしれません。
会社経営に行き詰まった場合一人で悩まないでどうかご相談ください。当事者というのはどうしても頭の中が真っ白になってしまって、いい知恵も浮かばず悪いことばかりを考えがちですが、専門家をはじめとした第三者の知恵を借りて事態好転ということも決して夢ではありません。