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エッセイ

私のお芝居礼賛

私のお芝居礼賛(137)

( 茶壷 ) 能楽を題材にした歌舞伎作品を“松羽目物(まつばめもの)”と呼ぶことがあります。能舞台の背景に使われる大きく明るいタッチの松の木の絵を歌舞伎舞台でもその背景に使うことから、松をはめた舞台のお芝居ということでそ …

私のお芝居礼賛(136)

( 富樫 ) 歌舞伎の名作“勧進帳”は加賀の国安宅関の関守富樫左衛門が主君を必死に守ろうとする弁慶の振る舞いに感銘を受け源頼朝に追われる義経主従と知りながら関所の通行を許すお話ですが、歌舞伎の演目“富樫”はその後の富樫左 …

私のお芝居礼賛(135)

( 勧進帳 その二 ) 当事務所のお客さんの会社にまだ若年ながら歴史に大変詳しい専務のKさんという方がおいでになります。先日お会いした際にこの歌舞伎の“勧進帳”が話題に上がりました。Kさんは「伝承の部類なので真実かどうか …

私のお芝居礼賛(134)

( 勧進帳 その一 ) 能楽の“安宅”を元に作られた歌舞伎の演目に“勧進帳”という名作があります。勧進帳とは今となっては聞きなれない言葉かもしれませんが、神社仏閣が建物や仏像などの建立・修理のために全国から寄進を募る際の …

私のお芝居礼賛(133)

( 狐と笛吹き ) 日本の民話や説話集には狐や狸などが人間に姿を変えて、いたずらをしたり受けた恩を返すという物語が沢山あります。“狐は七化け狸は八化け”と言って狐の方は一化け少ないようですが、狸の方がどこかユーモラスで人 …

私のお芝居礼賛(132)

( 大尉の娘 ) 平成13年7月新橋演舞場で初代水谷八重子23回忌・花柳章太郎37回忌追善興行と銘打って劇団新派により中内蝶二作“大尉の娘”他が公演されました。因みにロシアの文豪アレクサンドル・プーシキンも同名の小説を1 …

私のお芝居礼賛(131)

“ 一人芝居 化粧 ” 俳優一人だけで演じる一人芝居は、昭和元年築地小劇場で汐見洋がチェーホフの「煙草の害について」を演じたのが日本演劇界における先駆と言われています。昭和57年井上ひさし原作の“化粧”を渡辺美佐子が演じ …

私のお芝居礼賛(130)

( ”ふるあめりかに袖は濡らさじ” その二 ) “その一”の冒頭に「美談には胡散臭さが付きまとう。」と書きましたが、“美談”には誰かがある意図をもって嘘を捏造し或いは真実を隠して一般大衆に分かりやすいような形で事実と異な …

私のお芝居礼賛(129)

( ”ふるあめりかに袖は濡らさじ” その一 ) “美談”と言われるものはどこか胡散(うさん)臭さが付きまとうような気がすると言ったら言い過ぎになるでしょうか。作家有吉佐和子が昭和45年に発表した“亀遊の死”を自ら戯曲化し …

私のお芝居礼賛(128)

( 吹雪峠 ) 「峠」という漢字を国語辞典で引くと、「山の道をのぼりつめたところ」とありますが、この“道”は人が作った道であって自然にできた山脈などにある獣道などではありません。人の手が関わった一番上、物事の絶頂・最高潮 …

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