エッセイ
私のお芝居礼賛(118)
( “ 十三夜 その一 ” ) 平成27年6月の三越劇場は劇団新派の“十三夜”が公演されました。十五夜ほどメジャーではありませんが、十三夜とは旧暦(太陰暦)の9月13日にするお月見のことを言います。旧暦8月15日の十五夜 …
私のお芝居礼賛(117)
( “南の島に雪が降る” その五 ) マノクワリ歌舞伎座の収容人員は250~300人ほどでした。(因みに東京東銀座にある実際の歌舞伎座の収容人員は1900人です。)夜に灯りをつけて興行を行うと敵の空襲を呼ぶことになるため …
私のお芝居礼賛(116)
( “南の島に雪が降る” その四 ) 兵士の情操教育を目的にするからには、ただゲラゲラ笑わせるような酒席の余興のような演芸ではなく本式の芝居が必要と考えた加東さんは、その意図のもとにマノクワリ演芸分隊員を集めます。 する …
私のお芝居礼賛(115)
( “南の島に雪が降る” その三 ) お芝居には(映画も同様ですが)様々な制約があります。上演時間もその一つで長編小説を原作通り全部演ずることはできない場合が多く、当然のように少なからぬ場面を省略したり時間を短縮するため …
私のお芝居礼賛(114)
( “南の島に雪が降る” その二 ) さて舞台“南の島に雪が降る”の粗筋です。昭和18年秋ニューギニア西北端のマノクワリに送られた加東さん達は内地からの補給が途絶えがちになることで負け戦を実感しはじめます。痩せこけた体に …
私のお芝居礼賛(113)
( “南の島に雪が降る” その一 ) 加東大介さんという人情味あふれる俳優がおりました。昭和50年64歳で亡くなっていますから、この名優を知る人は今ではもう60代以上の方でしょうか。映画に数多く出演しテレビでもNHK大河 …
私のお芝居礼賛(112)
“昭和”も随分と遠くなりましたが、それが“明治”となると多くの人は江戸時代同様に教科書で習う歴史の一コマとすら感じるのではないでしょうか。平成17年1月の三越劇場は、劇団新派公演の明治時代中頃を舞台にした樋口一葉の「大つ …
私のお芝居礼賛(111)
令和2年8月1日、この3月から新型コロナウィルス蔓延のせいで公演中止が続いていた歌舞伎座でしたが八月花形歌舞伎としてやっと再開されました。マスク・消毒・検温のほかに座席は一席置きに観客が座ることになりかなり緊張感のある初 …
私のお芝居礼賛(110)
( “越前一乗谷” その三 ) “ぱあと108”を読んだ方から次のようなメールを頂戴しました。(ご本人の了解を頂戴した上で掲載します。) “ぱあと108″楽しく拝見しました。朝倉家滅亡後秀吉が亡主 …
私のお芝居礼賛(109)
“ 越前一乗谷 その二 ” 歌舞伎“越前一乗谷”は華やかな花見の宴の直後に勇壮な合戦シーンに転じ、その後朝倉義景の側室小少将(こしょうしょう)が尼となって戦国の世の無常を嘆くシーンにつながるという有為転変をビジュアル的に …